ドメーヌ ド リモーテル IGP ル プティ グラン[2019]
Domaine de L'immortelle IGP Le P'tit Grain19
タイプ | 白ワイン |
産地 | フランス/ルーション地方 |
品種 | ミュスカ プティ グラン 100% |
容量 | 750ml |
ドメーヌ ド リモーテルの新ヴィンテージが入荷してきました。ルーションに有りがちな暑苦しさが無く、南仏の個性を大事にしながら軽やかでエレガントなワイン造りを行っているドメーヌ ド リモーテル。低価格でも個性があり、軽やかな彼らのワインは、暑くなってくるこれからの季節にピッタリ寄り添ってくれる存在になりそうです。
まだまだ若手醸造家で有るため、生産量に限りがあるのが難点ですが、品質は十分満足できるものに仕上がっています。
ダイレクトプレスの後にファイバータンクで発酵、熟成。明るく黄色み掛かった麦藁色の色調。白い花の可憐な香りに加え、ハーブやマスカットの様な瑞々しいフルーツのニュアンスが感じられます。スワリングを重ねると蜜っぽいニュアンスが湧き上がり、ミュスカ主体のワインによく現れる、フローラルな香りに甘いニュアンス&ミネラルを感じられます。香りはとても華やかで活き活きとしていますが、味わいはあくまでもドライな仕上がり。2018VTより軽やかな味わいになっており、重ったるさがなく、フレッシュな果実味と柑橘系の引き締まった酸、ミネラルが調和し、とても軽くスルスルと喉を通るエレガントな味わいに感じられます。甘い香りのニュアンス&柔らかながら小気味良い酸とミネラルで構成され、食材が豊富に揃ってくるこの時期、万能に合わせられる最強の1本です。
ドメーヌ ド リモーテルは、2014年からデルフィーヌとヤン・ブーヴィエ夫妻でドメーヌをスタートさせ、現在はモントネ(ルーション、カタロニア北部)、ラ トゥール ド フランス、カルスの3つのエリアで7ヘクタールの畑から、7キュヴェを造っている若手醸造家です。当然のように自然酵母を使用、除草、収穫は手作業、亜硫酸塩の極少量の添加以外は、自然の持つ力のみでワインを造っています。
ダンケルク出身のデルフィーヌとブルトン出身のヤンは、フランスの製紙学校で工学を学んでいた時にグルノーブルで出会いました。卒業後パリへ移住するも3年の歳月を経て、マルティニークの島々へと旅立つことを決意。2007年にマルティニークに紙の貿易会社を設立し、島で10年過ごしました。しかし、マルティニークに拠点を置いていたワインのインポーターと出会い、ワインに魅せられてしまいます。そして、デルフィーヌとヤンは南仏のワイン、特にルーションのワインに強く魅せられ、自分たちでワインを造るんだという考えに辿り着きました。「日々チャレンジすることが、生きて行く上での原点なんだ」と話す彼らにとって、ある意味、ワイン生産者になる事は必然であったのかもしれません。
「ブドウの木、テロワール、人々を尊重しながら、良いワインを造ることが私たちの哲学です。」とする彼らは、ビオへの転換を畑取得後直ぐに行いました。2015年にはエコセール認証、2018年にはAB認定を受けました。ワインへの情熱と愛情からこの職業を選んだと話す彼らは、収量の少ない土地(平均約25hl/ヘクタール)の区画を購入しブ、ドウの品質重視の姿勢を今でも貫いています。
フランソワ・ラブレーの「ガルガンチュア物語」という著の中に「常に飲みなさい、あなたは決して死なないだろう」という言葉がありますが、そこに「良い自然派のワインを飲む限り」と言葉を付け加えたいと彼らは話すほど、この土地とナチュラルワインを愛しています。そして地中海沿岸に咲く、この土地固有の花であるイモーテル(ラベルにもデザインされている黄色い花で不滅の花と言う意)に意味を重ねて、ドメーヌの名前としました。
自分の感性と情熱を信じてここまで辿り着いたデルフィーヌとヤン夫妻。彼らの情熱とセンスが溢れる味わいのワインを是非感じ取って下さい。