ユンク スヴェティ ミハエル[2013]
JNK Sv.Mihael13
タイプ | オレンジ |
産地 | スロヴェニア |
品種 | ソーヴィニヨンブラン60%、ピノブラン20%、レブーラ(リボッラ・ジャッラ)10% マルヴァジア10% |
容量 | 750ml |
5日間醸し、古樽で18 ヶ月間発酵・熟成。セラーで長期瓶熟。
スロヴェニア、標高350mの小さなŠmihel村にある教会名をキュヴェ名に冠しました。ソーヴィニヨンブランを主体とした4品種を醸し後バリックで18 ヶ月発酵・熟成しました。しっかり濃い黄金色、みかんジャムやアプリコットジャムの完熟香、金柑シロップ漬けの甘味とほろ苦さ、口中が潤うコクとドライ感と骨格のしっかりとしたボディ、複雑味のある味わいがアフターまで続きます。
父娘で0から造り上げた上質のオレンジワイン。
水の都ベネツィアから車を東北東へ1時間走らせると、イタリアとスロヴェニアの国境をまたいだ町、Gorizia(ゴリツィア)がある(正確には両国で街の名前はちょっと異なるが)。この街を中心にしてイタリア側のウリウリ・ヴェネツィア・ジュ―リアとスロヴェニア側のBrda、Vipava Valley、KarstというRegionには、日本はもちろん世界中でも大人気のヴォドピーベッツ、ムレチニック、ダリオプリンチッチ、グラヴァナー、ダミアン等々、錚々たる素晴らしい造り手達がひしめいている。いつもこの地のワインは趣味として楽しんできたが、良縁に恵まれワクワクする出会いがあり、思いもよらずパートナーができた。しかし、コロナでなかなか訪問ができずやっと初訪問できたのは2021年11月下旬、初めての国なのでドキドキしながら車を走らせたのを覚えている。
Gorizia(ゴリツィア)の街からさらに西へ10kmほど、Vipava Valleyというスロヴェニアで大注目のWine Region、そのRegionの入り口にŠEMPASというのどかでとてもきれいな町(村?)がある。10年以上前、トラックの運転手をしていた父はワイン好きが高じて休日に醸造とブドウ栽培を現場・実学で学び始め、それを見ていた娘Kristinaはイタリアで醸造の勉強をはじめた。ワイナリー Mervič JNK(メルヴィッチ・ユンク)の物語が始まった瞬間だ。代々、畑や醸造所を受け継いだわけではなく、完全に0から二人で夢の実現に歩き始めた。そして家からそう遠くない自然のままの野山に土地を取得し、父と娘の二人だけで開墾してテラス状の畑をつくり、醸造所としてはそう広くない自宅の1Fに醸造所と熟成室を設けた。畑は計3.5ha。泥灰土と粘土が層となった土壌で標高が100 ~ 350m、斜度は平均で30 ~ 45%にもなる急斜面だ。南東から南に畑全体が面しており、朝の涼しい時間帯から昼過ぎまでしっかり日照を得、北のアルプス方面からは冷たい風が吹き下ろしワインに冷涼感を与え、南のアドリア海からはマイルドな空気も入ってくる。このようなミクロクリマを備えた素晴らしいテロワールがワインに良質なアロマ、酸、ミネラルを与える事は言うまでもない。造る品種は、リボッラジャッラ(スロヴェニアでは、レブーラ)、Jakot(イタリアでいうフリウラーノ)、ピノブランコ、マルヴァジア、ソーヴィニヨンブラン。そして近年、新たにヴィトフスカもリリースを控えている。黒ブドウではカベルネソーヴィニヨンとメルロー。畑は最初からビオロジック。周りは100%自然に囲まれており良質なブドウを栽培・収穫するには理想的な環境だ。醸造はいたってシンプル。白は3 ~ 5日ほど醸した後、1 ~ 2年落ちの古樽で熟成させ、赤は4 ~ 60日の醸し期間を経て同じく古樽で熟成させる。瓶詰め後も基本的には飲み頃を迎えるまで藏で3年~ 5年熟成させてから出荷をする拘りぶり。“良質なブドウだけが素晴らしいワインになり得ると信じている。それこそが私たちの信念だ”と彼女はいう。“細心の注意と深い愛をもってブドウを育て発酵と熟成を見守る。
慌てず急がず、自然に最大限のリスペクトをもつ。”これはワインを世界のお客様へ届けるために彼らが最も大事にしている誇りだ。ジョージアやオーストリアを始めたとき同様に、今回もドキドキしている。スロヴェニアの国に一度足を踏み入いれて以降、スロヴェニアワインの魅力にはまっている...新しく好きなものができると、生活や人生が豊かになるなと感じている。先見の明がなかったため、魅力に気付くのがこんなにも遅くなってしまった...もう完全に市民権を得た感があり、そしてまだまだ人気はうなぎ上りに見えるオレンジワイン。
ジョージア、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリア、と様々な国のオレンジワインと出会い良縁があったが、スロヴェニアのオレンジワインは格別だ。きっとそれはゆっくり時間と愛情が注がれているからだろう。そしてきっとそれはワインにとって最も大事な要素なのだろう。Mervič JNK(メルヴィッチ・ユンク)の物語はまだまだ序章にすぎない。きっとこの親子はさらに素晴らしいワインを造ると信じている。(インポーター資料より)