カーゼ バッセ IGT トスカーナ ソルデラ[2019]
Case Basse Soldera2019
タイプ | 赤ワイン |
産地 | イタリア/トスカーナ/モンタルチーノエリア |
品種 | サンジョヴェーゼ100% |
容量 | 750ml |
カーゼ・バッセにとって2019年は完璧な成熟度を誇るサンジョヴェーゼが収穫できたヴィンテージです。春の気温が過去17年で最も低いなど冷涼で湿度が高い気候が続きましたが、6月以降は例年通り、温暖な日照と適度な雨に恵まれました。収穫は9月13日から同月29日までの間、区画ごとに理想的な成熟度を見極めて実施。畑、選果台、除梗後と三度に渡って選果を行い、最良のブドウのみを用いることによってワインのポテンシャルを最大限に高めました。その後自然な醸造によって、サンジョヴェーゼ本来の豊かな味わいを最大限表現。約18,000本がリリースされています。
紫がかったルビーレッドの色調。フレッシュなチェリーやブラックベリーのアロマに、タイムやローズマリーなどのハーブ香が鮮烈に重なり、グラスから立ち上ります。時間の経過とともに、スミレやブラッドオレンジ、タバコのニュアンスが表れ、次第に多層的で繊細な雰囲気に昇華。口に含むと、シルキーなタンニンが広がり、深い奥行きとエレガンスが感じられます。瑞々しい果実味を活力のある酸が引き立てる、生き生きとした味わいで、心地良いハーモニーが魅力です。余韻では甘やかなスパイスや皮革が溶け合った複雑な風味が、優しく鼻腔をくすぐります。長期の熟成ポテンシャルも兼ね備えており、将来の変化にも期待が膨らむ仕上がり。美しく調和のとれた、素晴らしい1本です。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ地区の偉大かつ唯一無二の造り手として、その名を馳せたカーゼ・バッセ。ワイン・アドヴォケイトにおいて「クラシカルなブルネッロ愛好家を感動させる味わい」と称賛されており、1982年のリリース当時から今に至るまで圧巻の品質を誇っています。
カーゼ・バッセが設立当初から重要なキーワードとして掲げているのが「自然」と「情熱」という二つの言葉。「自然」はユニークで理想的なテロワール、オーガニックなブドウ栽培、ナチュラルなワイン造りとして体現され、「情熱」は、単に美味しいワインを造ることを目標としているのではなく、「ワイン愛好家の思い出に残る、価値のある体験を提供する」ために、製造から販売におけるあらゆる側面に一切の妥協を許さないワイン造りとして体現されています。
そんな彼らが生み出すワインは、ピュアなブドウの旨味が凝縮したどこまでも深遠な味わい。長期熟成に向く究極のサンジョヴェーゼとして、初リリース時から現在に至るまで、世界的なワイン評論家から愛好家、さらには同業である多くのワイン生産者までもを魅了し続けています。
長期熟成に耐えうる偉大なワインを造りだすために、サンジョヴェーゼを100%使用することにこだわってきたカーゼ・バッセ。そんな中、2012年にカーヴで熟成中の2007年から2012年ヴィンテージのワインの大部分を、当時の従業員の故意により損失するという悲劇が起こります。その際、ジャンフランコ氏は、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ協会から「他の生産者のワインをカーゼ・バッセのワインとして売り出してはどうか」と提案され失望したのです。
その後さらに、サンジョヴェーゼを100%使用することがブルネッロ・ディ・モンタルチーノを名乗る条件である中、大手生産者のブルネッロに、国際品種であるメルロがブレンドされているという疑惑が発覚し、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ協会から、「規定の品種のみに固執することはないのでは?」という声が上がり、ジャンフランコ氏は失意に暮れました。 そうした方向性の違いから、彼は2013年にブルネッロ・ディ・モンタルチーノ協会から脱退。
それまでブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCGとしてリリースしていた彼のワインを、トスカーナIGTとしてリリースし、サンジョヴェーゼ100%を貫く道を選んだのです。そんな彼のポリシーは他の生産者や評論家の畏怖と尊敬を集め、IGTでありながら、真のブルネッロ・ディ・モンタルチーノの頂点に立つ存在としてさらなる高評価を受けることとなりました。
カーゼ・バッセのワインのラベルには「100% SANGIOVESE」という文字が大きく掲げられ、公式ホームページにもまた「100% SANGIOVESE」をトップ画面に掲載。これには、ブルネッロの巨匠と讃えられたジャンフランコ氏の信念が込められているのです。そんなジャンフランコ氏は、2019年に他界。現在は息子のマウロ氏と娘のモニカ氏、その夫のパオロ氏がワイン造りに参画し、彼の意志を継承しワイン造りを行っています。