キスラー・ヴィンヤーズ ロシアン・リヴァー・ヴァレー ピノ・ノワール[2021]
Kistler Vineyards Russian River Valley Pinot Noir 21
タイプ | 赤ワイン |
産地 | カリフォルニア/ソノマ/ソノマ・コースト |
品種 | ピノ・ノワール100% |
容量 | 750ml |
キスラー・ヴィンヤーズの2021年は、温暖で乾燥した気候の2020年とは対照的な魅力を持つ年。乾燥した生育条件に加え、穏やかで冷涼な気温や海洋性気候の影響が重なり、非常に高品質で個性的なヴィンテージとなりました。生み出されるのは、ピュアで高貴なアロマに程良いボリューム感を備えたワインです。
輝きのある鮮やかなルビーレッドの外観。レッドチェリーやラズベリーなどの濃縮した果実のアロマに加え、赤バラやスミレの香りが漂います。口に含むと感じられる、力強いタンニンやピュアな果実味、瑞々しい酸が、しっかりとしたストラクチャーを形成。余韻には果実の凝縮感とともに、鉄のようなミネラル感や、バラを思わせる繊細なニュアンスが重なり、多層的な味わいを演出します。
キスラーが、ロシアン・リヴァー・ヴァレーの畑を手に入れたのは1986年。キスラーのピノ・ノワールの中では、歴史あるキュヴェの一つです。畑はロシアン・リヴァー・ヴァレーの中でも高い位置にあり、片側は渓谷、片側は海岸に面した冷涼な気候。土壌は「ゴールド・リッジ」と呼ばれる砂質土壌と鉄を含む粘土質ロームから構成されています。造られるワインは、ピュアな果実味と美しい酸、複雑なニュアンスを持つ奥行きのあるスタイルです。
キスラー・ヴィンヤーズは、「カリフォルニア・シャルドネの王」と称されるスティーヴ・キスラー氏を中心とするファミリーによって、1978年にカリフォルニアのロシアン・リヴァー・ヴァレーに創設されたワイナリーです。キスラー設立当時、カリフォルニアでは近代的なステンレスタンクを用いて醸造を行うのが主流でしたが、キスラー氏はフレンチオークでアルコール発酵とマロラクティック発酵を実施。
その際、野生酵母を使用し、清澄やフィルタリングは行わずそのまま樽の中で熟成させるという、ブルゴーニュ同様のワイン造りをいち早くカリフォルニアで確立しました。そして現在、10カ所以上に所有する自社畑から、ブルゴーニュに倣い畑の名を冠してリリースされるそれらのワインは、屈指のカリフォルニア産シャルドネのひとつとまで言われる品質を備えるようになったのです。従来、凝縮感溢れるパワフルなスタイルが特徴と言われてきたキスラーのワインですが、近年はよりテロワールを表現すべく、樽の影響を控え、ブドウ本来の味わいにフォーカスを当てた造りにシフト。洗練されたミネラル感と酸味を基盤に、抜群のバランスで全体をまとめ上げた、ブルゴーニュに通ずるフィネスやエレガンスが際立つ味わいになっています。また、近年カルトワインとして名高い「コスタ・ブラウン」や「ギャップス・クラウン」を所有するビル・プライス氏を新しいオーナーに召聘し、新体制でワイナリーを運営。また、スティーブ氏は2017年末にキスラー・ヴィンヤーズから引退し、現在は長年弟子であったジェイソン・ケスナー氏が栽培及び醸造の指揮を取っています。
ソノマは、カリフォルニアワイン発祥の地として有名な産地。西を海岸山脈、東をマヤカマス山脈に挟まれており、南のサン・パブロ湾から流れ込む冷たい空気の影響を受けた非常に冷涼な気候が特徴です。険しい地形と厳しい気候からは、ブルゴーニュワインにも引けを取らない繊細なワインが生み出され、「カリフォルニアのヴォーヌ・ロマネ」と称されるまでに評価されています。